遅ればせながら
退任のごあいさつ
前代表 冨安 兆子
別れと出会いの桜の季節も過ぎ、やがて新緑のときを迎えようとしております。
さて、私こと、2024(令和6)年6月30日の総会を以て「高齢社会をよくする北九州女性の会」代表者としての役割を、後任の中村順子さんにゆだねることができました。
1985(昭和60)年6月22日の第1回総会から数えて通算40年弱、志を同じくする人々との会設立の準備会からすると優に40年を超える歳月が流れたことになります。
当時北九州市の(日本全体でも)高齢化率はまだ10%台の入口で、少子化はもとより、人口構造の高齢化が脅威だとは、一般にはそれほど強く認識されていませんでした。それだけに会発足のニュース性は高く、1983(昭和58)年、一足先に東京で発足していた「高齢化社会をよくする女性の会」の樋口恵子代表をお招きしての発会式には、北九州市内だけでなく近隣の市町村からの参加もあり、熱気にあふれた会場の様子は現在でも語り草になっております。
長年月に亘り実に多様でスリリングな経験をさせていただいたことに、まずもって感謝の念でいっぱいでございます。それなりの労苦もなかったわけではございませんが、それも含めて今振り返ると実に幸せな時間であったと言うことができます。
気候変動を始めとする地球環境の悪化のみならず、核の脅威や、性懲りもなく繰り返される戦争など、今や世界の状況は混迷を深めており、私達の日常も日々不安感が増すばかりです。
このような時代だからこそ、まずは出会う周囲の人を大切にし、遠くの人々にも思いを馳せる想像力を持ち、未来への希望の光を見失なわずに生き続けることができるよう、支えあう関係性を大切にしていきたいと思います。そして、人類の子孫にとっての「良き祖先」たり得ますように。
そのための組織であることを切に願い、組織の存続を後に続く人々に託して「さようなら」を申し上げます。
皆さまどうぞご健勝で……。
2025(令和7)年4月